せっかくの遺言書が、自分の死後、相続トラブルの元になってしまったら、死んでも死にきれないですね。
ここでは、もめない遺言書を書くにあたっての秘訣をお教えします。
各々の相続人には民法で定められた相続分があり(私の相続分は?)各々の相続人は、この法定持分位は相続する事になるのかな?と思っているのではないでしょうか。
この法定持分をベースにして、例えば長女は老後の面倒を見てくれたから少し多めに、長男は借金をつくってその返済の際に援助したから少し減らして、といった具合に加減していきましょう。
そして その理由は、付言事項の中で、きっちり明記しておく事です。
また、長女にのみ相続させるといった、特定の人のみ相続させる場合、他の相続人から遺留分の減殺請求されないように、付言事項の中でその理由を書いておきましょう。
付言事項とは、遺言書に書く事のできる、遺言者から遺族への最後のメッセージです。法的は拘束力はありませんが、遺言内容の理由を書く事で、相続人はその遺言を受け止めやすくなるのではないでしょうか?
私の妻、山田花子は苦しい時代も愚痴ひとつこぼさず、私を支え続けてくれました。そして、三人の子供たちを立派に育て上げてくれ、今では子供たちも全員結婚し、独立した生活を送っています。 よって、私の亡き後、妻にゆとりを持った生活を送ってもらいたいので、妻に全ての財産を相続させる遺言を記す事としました。 よって、子供たち三人は遺留分の減殺請求をせず、お母さんの幸せを温かく見守って欲しいと、切に願っています。 |
この遺言で二男次郎と長女和子の二名だけに相続させる事にしたのは、長男一夫には、自宅購入の際に金3000万円を援助したことを考慮したものです。 今後も、兄弟仲良く暮らす事を希望します。 |
私は文子という良き妻と三人の素直な明るい子供たちに囲まれて、幸せな人生を送ることが出来たと心から感謝しています。 文子には二人で築いた、住まいの土地と建物を残す事にしました。気兼ねなく、自由に老後を過ごしてもらいたいためです。 この土地と建物だけで遺産の2分の1をはるかに超えると思いますが、三人の子供たちはお母さんに対して遺留分を請求する事の無いようにして下さい。いずれは三人のものになるのです。 一郎と次郎には大学を卒業させ、父親として出来る限りの援助はしたつもりですが、良子には私の会社が倒産したこともあり、大学にも行かせてやれなかったばかりか、私の病気のせいで長いこと介護の苦労までさせてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです。良子に対して一郎や次郎よりも多くの現金を残してやることにしたのはそういう気持ちからです。皆ならわかってくれるでしょう。 文子、一郎、次郎そして良子、よい人生を本当にありがとう。 |