私の祖父の相続のお話をしたいと思います。
私の祖父は90歳で他界しました。89歳のときに肺癌を医師から宣告され、当初は放射線治療を行おうかと考えて検査を受けましたが、癌の傍に心臓のペースメーカーがあり、放射線治療を行うとペースメーカに異常をきたす恐れがあるとのことで、本人と私たち家族で話し合い、癌の治療は行わないとの結論に達しました。
かなりの年齢だったので癌の進行は遅いかと思っておりましたが、背中の痛みがひどく、本人は辛かったみたいです。
その中で私の妹が結婚することになり、結婚式にも出られなくなるかもしれない状態にもなりましたが、本人が孫の結婚式には出たいと頑張り、結婚式にも出席することが出来ました。とても嬉しそうでした。

その数か月後に妹の子供、本人の曾孫が誕生しました。その時もとても嬉しそうに曾孫を抱いている祖父が印象的です。
その幸せの中でも病魔は進行し、背中の痛みを止める注射も2週間に一度だったものが、1週間に一度、3日に一度となり、どんどん麻酔が効かなくりました。そして、食べることが出来なくなり、点滴で栄養補給をしていましたが、その点滴も血圧の低下により刺さらなくなりました。在宅医療でしたので、祖父の自宅に来た医師が家族を集めた方がよいとのことで、親戚に連絡したところ、祖父を慕うたくさんの親戚が集まってくれました。最後はとても強い麻酔だったのでずっと寝てましたが、最後は目を開け、集まった親戚を見まわし、曾孫を見ながら祖父は逝きました。
亡くなるほんの二週間前までは私の家に来て話していたのにとても信じられませんでした。

その後、葬儀も滞りなく終わり、落ち着いたので相続の話になりました。祖父には配偶者である祖母と息子二人がいます。ですので相続人は配偶者と子供になり、法定相続分は配偶者2分の一、残り2分の一を子供たちの人数で分けますので子供一人につき4分の一となります。
祖父は遺言を残していなかったので、その場合、民法の法定相続分で取得する方法と相続人間で話し合う遺産分割協議を行う方法になります。
そして相続人間で話し合い、遺産分割協議を行うこととし、相続人皆で分け合いました。

じいちゃん、背中の痛みに耐えて頑張ったね。曾孫も見れたね。ありがとう。本当にありがとう。また何十年後かにそっちに僕も逝くからね。そしたらまたゆっくり話そうね。相続のことは僕に任せてね。そんな想いでいっぱいです。

